武士道シックスティーン

遠間から一足一刀の間合いに入るまでの駆け引きが、試合の展開を大きく左右します

「自分に有利に、そして相手に不利に―」という間合いの基本は頭で理解するだけでなく、体で感覚として身につけると、試合での主導権を握ることができるようになります。以下に「三段の間合い」について簡単に紹介します。

空間的距離をコントロール

一足一刀…一足踏み込めば相手の打突部位に竹刀が届く距離のことです。双方の剣先が僅かに交差する程度の間合いをいいます。ただし、身長や跳躍力などによっても差が生じるため、どの程度の距離感かを一概に言うことはできません。

つまり、相手にとっての「一足一刀の間合い」が自分にとっては、「遠い間合い」だったり、またその逆であったりすることもあるわけです。まずは慎重や跳躍力との兼ね合いから判断して、自分の「一足一刀の間合い」を体得することが大切です。

近間…「近い間合い」は「一足一刀の間合い」よりも自分と相手が接近しあった距離のことをいいます。双方ともに一撃で相手の打突部位を捉えられる間合いです。竹刀の交差する具合はより深くなり、実戦ではこの「近い間合い」から技が仕掛けられるケースが多くなります。

そのため、緊迫した距離感であるということができます。非常に危険な間合いでもあるので、仕掛けるか、かわすかを瞬時に判断して、的確に行動することが大切です。もたついていると即命取りになるので注意が必要です。

遠間・・・「遠い間合い」とは、「一足一刀の間合い」よりも、自分と相手が離れた距離のことをいいます。一歩踏み込んでも、竹刀は相手の打突部位には届かない間合いです。そのため、この「遠い間合い」から「一足一刀の間合い」に入るまでの、中心をとる、払うなどの攻防が、試合の展開を大きく左右することになります。

しっかりとした動きを見につけやすく、相手との駆け引きも覚えられるため、初心者の場合はここから練習することが望ましいとされています。